どうして、漢字を勉強しなきゃいけないの?
子供達には、漢字の宿題が出るし、漢字テストがあります。ていねいに書かなかったり、「やりたくない」と言ったり。「宿題だから、とりあえず書いてみよう」と言って、宿題をやるものの、それでは覚えないから、テストもできません。
どうして、漢字を勉強しなきゃいけないの?
大人になると、手で字を書くことが少なくなっていきます。ほとんどパソコンやスマホの入力です。読めて、意味が分かれば、仕事や日常生活に困ることはありません。入力する時に、同じ読み方で迷う時は、すぐに調べます。時間がなければ、ひらがなにする時もあります。とめはねはらい、筆順なんて、不要です。テレビで活躍する博学な方でも、書き順が違うことがあります。知人で手書きの文字が思い浮かばない人は結構います。
記憶力が衰えて、なかなか自分が覚えられないからでしょうか。漢字の筆順を覚えることにも、限られた時間を使うのが、もったいない、と思ってしまいます。読めればいい。それで、勉強がつまらなくなるくらいなら、本を読んで、知らない漢字が出てきたら、調べればいいのではないでしょうか。大体書ければ問題なし。「勉強のための勉強」になっているような気がします。
文化庁文化審議会は、手書きの漢字の字形について、「とめはねはらい」など細かい点にこだわる必要はないとする報告をまとめた。・・略・・
「漢字の骨組みが同じであれば、間違っているとみなされない」
(THE PAGE/漢字の「とめはねはらい」は気にしなくていいって本当?文化庁に聞いた)
「常用漢字表の字体・字形に関する指針(報告)」(平成28年2月29日国語分科会)
○ 手書き文字と印刷文字の表し方には,習慣の違いがあり,一方だけが正しいのではない。
○ 字の細部に違いがあっても,その漢字の骨組みが同じであれば,誤っているとはみなされない。
Q21 漢字の正誤をどう判断するか
常用漢字表の考え方では,漢字が正しいか誤っているかを,どのように判断するのですか。
A 骨組みが過不足なく読み取れ,その文字であると判別できれば,誤りとはしません。
Q26 学校のテスト等との関係
児童が漢字の書き取りテストで,教科書の字とは違うものの「字体についての解説」では認められている形の字を書いてきました。このような場合は,正答として認めるべきなのでしょうか。
A「児童生徒が書いた漢字の評価については,指導した字形以外の字形であっても,指導の場面や状況を踏まえつつ,柔軟に評価すること」とされています。
多様な字形が認められるという考え方が、実際の教育現場には十分に広がっておらず、個々の教師に委ねられる、とのこと。
十分に広がってません。とめはねはらいも細かく直されます。直す先生も大変だけど、直される子供達も楽しくない。柔軟を認めると、正誤の線引きが大変になるのは理解しますが、漢字嫌いから国語嫌いになりそうです。
漢字だけとは限らず「学力」が示すのは、その人の暗記力、知識、机に向かった時間の長さだけではないのです。課題に向かって前向きに努力を続けられる、「心の力」をも示すのではないでしょうか。・・略・・
漢字の勉強を頑張れる人は、他の勉強もきっと頑張れます。
勉強を頑張れる人は、生活や仕事でも、難しい課題にぶつかった時に対処方法を考え、乗り越えようとする行動を起こせるはず。
(家庭学習レシピ/どうして漢字を勉強しなきゃいけないの?と子供に聞かれたら)
「漢字の勉強をがんばるって、とてもかっこいいことだよ」と子供時代の私が言われたら・・・「かっこよくなくて、いい!」って答えていたでしょう。スマホのない時代ですから勉強していましたけど、今みたいに手軽に調べられる環境では、なかなか価値が見出せません。他に楽しいことがあります。漢字学習より、読書の楽しさを教えて欲しかったです。
「勉強のための勉強」でなく、興味のあることに時間を使って、わくわくした日々を送りたいです。課題をこなす努力も大事ですが、興味があることを追求する力を身につけて欲しいです。